2023年6月6日火曜日

ファーマーズマーケット完全ガイド(ベンダー向け)

いやーー夏ですね。
暑い、暑い、暑い。
日もすっかり長くなりました。もう9時過ぎまで明るいんじゃないかな?

6月に入り夏のファーマーズマーケットもいよいよ本格化してきました。
実は早い場所は4月から夏のマーケットシーズンにすでに切り替わっているんですが、やっぱりまだまだ4月の時点ではあまり認識されていないのか客足もちょっと少なめ。
5月、6月に入ってからオープンするマーケットも多々あるので、ようやく客足が伸びてきた感じですねー。

今回の生地ではバンクーバー近辺のファーマーズマーケット事情を、ただのお客さんとしての情報はすでに出きっていると思うのでベンダー側の視点も加えながらちょっと解説したいと思います。

前提としてすくなくともBC州では食べ物を販売したいと思ったら保健所の許可が必要です。
以前にもちらっと触れましたがそれはつまり商用のキッチンを借りている必要があるということです。家庭のキッチンで作ったものを外で(インスタ経由とかも含め)販売するのは違法です。
何故か?厳密には家庭のキッチンでも既定の基準に沿っていれば理論上は可能ですが、その規定がまぁとにかく細かく色々決まっているので家庭のキッチンで基準を満たすのはまず不可能です。
業務用のディッシュウォッシャー(リンス温度が80度近くになるやつ、または消毒用のケミカルが使用できるやつ)がないといけない、ない場合は3コンパートメントシンク(シンクが3つつながっているタイプのシンク)がないといけない、とか、手洗い専用のシンクがいるとか、まぁ色々。
保健所の許可が下りないということはビジネスライセンスも取れないし、ということは当然保険にも入れないため、もしなにか食中毒とかでも起こしたら大変なことになります。損害賠償で億単位のお金が必要になる可能性もあります。

まぁコロナ以降この地下商売やっている人めっちゃ増えた印象ですけどね、、しかも違法だって知らずにインフルエンサーが取り上げちゃってたりするから怖いわ。。罰金も一応あるしね、家庭のキッチンで作った食べ物なんて雑菌が入りやすいから翌日以降に食べるの結構危険ですよ、食中毒。。(受け渡しは翌日以降になるケースが殆どだと思うので、、)
なぜ上で説明したような設備が必要になるのかといえば全部殺菌や消毒をきちんと行える環境を作るためですからね、、その設備がないところで作るということはあり得る話なわけです。買う方にも問題があるので気を付けてほしいなぁと思うんですけど。

ところが、このルールの唯一の例外がファーマーズマーケット(と一部イベント)なんですね。マーケットのマネージャーが大丈夫とみなせば、Lower Risk Foodに限り保健所の許可がなくても販売ができます。
Lower Risk Foodとはなんぞ?といいますと、その名の通り痛むリスクの低い食べ物です。
パンとかペイストリーは肉類や乳製品などのクリームが入っていないもの、クッキーなど水分の少ない焼き菓子、糖度が高くて傷みにくいジャムなどなど。。
言い換えればハイリスクな食べ物、ケーキとかカレーパンみたいに肉が入ったパンとか、肉じゃなくても水分の多いフィリングが入ったものもだめ、チーズとかも乳製品なので、これらの商品を売りたければちゃんと営業許可とってね、という話になります。そして売るときにもちゃんと冷蔵の状態(つまり4℃以下を保った状態)で売らないといけません。

イベントの場合はそのイベントごとに保健所に申し込みが必要で、たぶん家庭のキッチンではイベントは許可は下りないかな、、最低どっかのチャーチとかコミュニティセンターとかのキッチンで条件を満たす場所じゃないとダメだった気がします。もちろん営業許可を持っているお店のキッチンを空いてる時間に借りて、とかでもOK。全部の販売予定のメニューを細かく記載し、ハイリスクかどうかなど確認され、許可をもらう必要があります。

正直今やファーマーズマーケットでも営業許可を持っていないベンダーは殆ど見ないのでリスクを考えるとどっちみち許可のないベンダーは嫌がられる可能性は否めないですけどね。
バンクーバーのマーケットで言うと多分この人二十何年とか前から出してるんだろうなぁみたいなおばあちゃんが売ってるクッキーとか焼き菓子のベンダーくらいで。。

まぁただ最初はリスクを低く何かを始めてみたい、という場合はイベントなどから参加してみるのもいいのかもしれません。イベントの場合は許可のあるキッチンの使用は必要になりますが、お金を払えば空き時間にキッチンを使わせてくれる許可を持ったお店はあると思います。いきなり月の家賃$1000とか払うよりは心臓にやさしいよねw


さて、バンクーバー市周辺だけでもファーマーズマーケットの主催団体は結構たくさんあります。
基本的には私が参加したことある場所、または親しいベンダー仲間から内情を色々聞いたことがある場所を中心に紹介したいと思います。

1、バンクーバーファーマーズマーケット
言わずもがな、バンクーバー市内で行われているファーマーズマーケットです。
結論から言いますがバンクーバー周辺のファーマーズマーケットの中では断トツで一番組織もしっかりしていて歴史も長く、来てくれる来場客数もほかのマーケットとは比べ物にならないほど多い、おすすめのマーケットです。

夏の間は市内7か所で運営していて、その中でもトラウトレイクが一番歴史が古く1995年から運営されています。28年!まだほかのマーケットが全く運営されていなかった頃からです。60以上のベンダーが参加する大型マーケットで、観光客もたくさん立ち寄ります。

何がおすすめかってとにかく訪れる客数が多い。
バンクーバーのファーマーズマーケットはレギュラー顧客の獲得にとても成功していて、毎週必ずマーケットを訪れるというお客さんがたくさんいる。野菜はファーマーズマーケットでしか買わないとかいうお客さんもいるほど😲
その分ベンダーからの信頼も厚く、いいベンダーが集まる=さらにお客さんが集まる、の良い循環が出来上がっている。

写真は先々週のキツラノマーケット。奥の方まで人でごった返しているのがわかるでしょうか?

多くのベンダーが集まるマーケットにはフードトラックやアイスクリーム屋さん、楽器を演奏してくれる人まで来ていて、ちょっとしたイベント感があって楽しめます。
みんなここで食べる気満々で買い食いを楽しみながらその週の分の野菜を購入するって感じ。うちみたいなパン屋はもちろん、化粧品やクラフト品、ジュエリーなんかを販売するベンダーさんもいます。あとはジャム専門店とか、アルコール類、オリーブ屋さん、ハマスとかのディップ、手作りのポテトチップス、タイカレーソース、お友達の塩こうじやさんとか、ココナマさんみたいな生チョコ屋さん、冷凍のペロギーとか、ブラウニー屋さん、ドーナツ屋さんなどなどあげればきりがないほどバラエティは豊かです。

ベンダーから人気が高いマーケット、ということでもちろんベンダーにとってはとてもいい、売り上げもしっかり上がるマーケットなんですが、その分競争が激しいのが難点。
まずベンダーリストに入れてもらうのが大変。(私もコンペティションで勝ってようやく入れてもらえた。。過去記事参照)特にベーカリーはもう飽和状態なのでまず入れてもらえないでしょうね、、私は日本式ってことでちょっと毛色が違うのでまだギリギリ入れてもらえたみたいな部分はあります。それにサワードウとかの正統派なパンを売っているお店に比べると餅系の商品があったり(つまりグルテンフリー)、ビーガン向けのパンなんかも用意しているので、入れてもらいやすいところはあったのではと。
ほかに競争相手があまりいない調味料とか、デザート系(冷蔵庫もっていかないといけないから大変だけど)の方が入れてもらいやすいかなぁとは思います。

で競争が激しいことでの問題点その2があまりスケジュールに入れてもらえないこと。
ファーマーズマーケットなので、とにかくまずはファーマーが優先。ファーマーは毎週必ず入れてもらえます。そのうえで余ったスポットをほかのベンダーに分配するわけですがその時にもSeniorityも重要で、長くマーケットに参加しているベンダーから優先されるので、私みたいなまだ参加し始めて5年とかいうひよっこは人気の高い忙しいマーケットには月に1回程度しか入れてもらえません💦それ以外の週はキャンセル待ちであくスポットが出るのを待つ。

トラウトレイク、ウエストエンド、キツラノの3マーケットがベンダーの売り上げ平均がとても高いマーケットで、これらのマーケットはそもそも新規参入のベンダーは普通にスケジュールに入れてもらう事すら初年度はできません。まずはキャンセル待ちから。

でも本当にキャンセル待ちをする価値があるほど、他の市のマーケットに比べたら段違いで売上の上がるすばらしいマーケットです。
それらのマーケットはおおよそ一回の参加費が$100行かないくらいかな?確か。
イベントに比べたらだいぶ安いけど、シーズンのマーケット参加分を一括で全部前払いなので、毎年参加費は結構な金額行きます。余裕で数千ドルを超えますね。。

特筆したいのは組織のしっかり具合。
きちんとベンダーコミッティーなどもあり、運営もとてもしっかりしていて、現場でのスタッフ、そのスーパーバイザー、オフィススタッフまで全部がしっかりと運営されています。
他のいい加減な運営のマーケットに比べると、参加している方は安心感が半端ないです。
ルール細かくてうるさいなーという面も正直ないわけではないですが、秩序を守る日本人としてはその方が結果的には気持ちよく参加できます。

2、アーティザンファーマーズマーケット
バーナビーとノースバン(ロンズデール)、ウェストバン(アンブルサイド)の3か所で夏の間だけマーケット運営を行う団体です。

うちはもうここに出すのはやめました。。
以前はバーナビーに少し、ロンズデールはまぁそこそこ出したりしましたが、あまりに運営が悪すぎて、本当に出す価値がうっすいと感じるようになったからです。

まず現場のマネージャーが使えなさすぎる。
一番最初にバーナビーのマーケットに出した時、マネージャーが現場で当日の朝にベンダーの場所を適当に割り振っていて、別のパン屋と隣同士にされて、、という対応に開いた口がふさがりませんでした。
ベンダーも集まらないので来たら誰でも取る感じで、全ベンダー20しかいないうちの6ベンダーがパンやペイストリーを売るお店、みたいな時もありました。
(それだけかぶると当然売れません)

うちはノースバンに結構お客さんを持っていたので、ロンズデールだけはお店を出すまで一応出していましたがやっぱり客足も安定しないし、それなりに忙しい日もあったけど暇な日が大半、忙しい日でもバンクーバーのマーケットに比べたら全く売り上げが届かない感じでした。
運営がしっかりしていないのでベンダーもなぁなぁで態度が悪い人とかルール守らない人もちらほら。
ある程度だれでも入れてもらえる感はあるので駆け出しの人にはまず実績をつける意味ではありなのか、とは思いますがそれ以上は望めないマーケットですね。。

3、コキットラムファーマーズマーケット
トライシティを中心にファーマーズマーケット運営を行う団体です。

ここは悪くないです!1と2の間って感じですかね。
運営もわりかしちゃんとしていますし、1のマーケットとは比べられませんが客足も日曜のマーケットはまぁまぁ期待できます。(平日の方は出したことがないからわからない、、)
出しているベンダーの層も、1のマーケットにも出しているベンダーが結構行っている印象。お客さんとして訪れてもベンダーのクオリティもまぁまぁ高いと思います。
運営が割ときちんとしているので新たにベンダーになる際にちゃんとJuryと呼ばれる商品の審査があります。(あ、もちろん1のマーケットもあります。2は正直覚えてないので多分やってないと思う)

4、その他もろもろ
Steveston Farmers Market ーリッチモンドの南端、スティーブストンで行われているファーマーズマーケット。小さなマーケットですがわりかし長くやっているみたいです。私は参加したことないので正直ベンダー側所見はわからない。まぁ人から聞く話可もなく不可もなくな印象です。

White Rock Farmers Market ーサーレーの南側、ホワイトロックで行われているファーマーズマーケット。意外と日本人客が多かったり、客層がお金持ちで結構いいというような話は聞きますが、運営があんまりよろしくない、という話も聞きます。いかんせん、ちょっと私には遠いので参加したことないです。

Cloverdale Farmers Market ーサーレーとラングレーの堺あたりで行われているマーケット。まだ全然新しいマーケットで、ちょっと運営が安定していない印象。突然マーケットキャンセルになったりしてるのを目撃しているので、どうなのかなぁと思ってます。


とまぁそんな感じで、どのくらいの人に需要があるのかわかりませんがベンダー側の視点からファーマーズマーケットの評価をしてみました😂

この夏はうちもかなりの数のマーケットやイベントに顔を出す予定です。
私はもうお店の販売に立つことはほぼありませんがマーケットやイベントはまだ私が中心で出張していますのでもしよかったら会いに来てくださいませ。
スケジュールはこちらから。

質問などあればコメントくださいー。


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