2023年5月29日月曜日

日本はオワコン?海外移住に関する考察

どうやら昨今このテーマ盛り上がっているようですね。

まぁ日本がオワコンかどうかについては議論が盛り上がっているようですし、いろんな考え方があると思うので私がここで議論することはせず、海外に移住するということがどういうことなのか、特にカナダへの移住に関して当事者として色々考察したいと思います。

1.他国の移民になるということがどういうことなのか。
まずはこれを理解しないと始まらないわけですが。。
カナダはわかりやすい移民国家ですし、アメリカと違って現在進行形で移民をガンガン受け入れしています。移民に頼らないと経済が回らない国です。
それだけを聞けば移民しやすそうだな~となんとなく感じるのではないですか?
それはまぁ間違いではなくて、アメリカのようにもう移民は欲しくないんじゃー!という国に比べたら移民=永住権を取得するための窓は比較的大きいのは事実だと思います。

ただし、あくまで比較したら、の話であって、決して簡単に移民できるという意味ではないです。なぜかって?国も欲しい人材を選ぶからです。

例えば日本を例にして考えてみましょう。
これからどんどん移民が入ってくるとして、国として必要な人材って?
例えばとても優秀な研究者とか、経済をうまく回してくれそうな高学歴で素晴らしい経歴をもった歳をとりすぎていない若者、日本人が働きたがらないような仕事に率先して従事してくれる人材、若くて優秀なカップルでこれから日本で子供も産んで優秀な人口を増やしてくれそうな人たち、などなど。

逆に欲しくない人って端的に言ってしまえば国に貢献することなく公的支援を使うことになるような人材ですよ。
日本語出来なくても就職先があるほど何かに秀でているわけでもなく、それなのに日本語の能力も低く、年齢が若いわけでもなく、そのうえでじゃあ日本人がやりたがらない仕事に就くかといえばそれも嫌がり、最終的には生活保護を受けて税金を搾取するような人です。
さらには健康状態が良くなくて、公的医療費の恩恵を受ける人。
そんな人移民に取ったって公的負担が増えるだけで国にとって何のメリットもないのはわかりますよね?

国にとって移民として受け入れるメリットが大きい人間でなければ受け入れる意味がないわけで。それってつまり自分がそういう人間だよ!国に貢献するよ!ということが証明できなければ移住はできないということです。

ある日思い立って、「よし、海外移住しよう」で簡単にできるほど甘い話ではないです。

その勢いで大した下準備もせずワーホリ使って突っ込んでくる子たち最近よく見ますが、ワーホリもその国には人生で1度しか使えないチャンスなうえ、移民を目指す際1年のオープンワークパーミットはものすごく大きな武器になる可能性があるのにそれを無駄にしてしまっているのがもったいないなぁと老婆心ながら感じています。

これだけははっきり言えるけど、まずは最低限、接客の仕事が普通にこなせる程度の英語力がなければ話になりません。
バンクーバーみたいに日本人の移民も多くて、日本人がやっているビジネスがたくさんある土地はちょっと特殊なので運が良ければ英語できなくても一応働くことくらいは出来ると思いますが、それはあくまで限られた地域のみの話で。カナダは広いで~
もしくは本当に仕事を選ばず、どんな仕事でも働かせてもらえるなら頑張りますくらいの根性座ってる人なら英語できなくても何とかなるかもしれませんが、、本当に苦労しますよ。


2、自分の人材としての価値を考えてみる
1の内容につながるけど、じゃあ移民しようと思ったときに今の自分の有用な人材としての価値を考えてみるといいです。
例えばあんまり英語に自信なかったとしても、日本で培った技術や腕が活かせる人材。美容師とか庭師とか。これは強いです。特にアジア人の多い地域では日本人の高い技術は需要が高いので移民をサポートしてくれる会社も探しやすいのではと思います。

またはカナダで人手不足と言われている分野の資格を取得してでも移民を目指そうと思えるかどうか。
例えば保育士、看護師、介護士あたりは常に人手不足が叫ばれているし、積極的に移民を受け入れている分野。ただし資格が必要なのでがっつり学校に通って英語もできるようになって、資格を取得しなくちゃいけない。

それもだめなら「日本語や日本文化理解が必要になる」仕事に就くか。
例えば旅行会社であれば、お客さんは日本人の為仕事上で日本語がどうしても必要になる。
日本食のレストランであれば、日本の食文化の理解が必要になる。
日本人であることそれ自体がメリットになる業界に勤めるということです。
ただね、これに関しては選り好みしている人が多い印象。どうしてかって旅行関係だとどうしても日本企業の海外支社で働く形になるケースが多いし、レストランとかでも日本人オーナーの考え方ややり方によってはどうしても日本の働き方をひっぱる形になるところが多いので、カナダ人の働き方に比べるとどうしても多少過剰に働いている、悪い言い方をするとこき使われる印象があるからですね。

でもねーーーーー
ちょっときついこと言うかもだけどね、もしも貴方がカナダ人と仕事を取り合えるほど満足に英語ができるわけでもなくて、なにか卓越した技術や技能があるわけでもなくて、カナダでも通用する資格を持っているわけでもなくて、使える武器が日本語しかないのに日系企業は嫌だっていうのは単なるわがままではないのかなぁと思ってしまう。
その状態だと先の1で述べた内容を鑑みると日本人であることを武器に使わない限り国にとっては欲しい人材ではないわけですよ。
そうね、日系企業が働き方改革してくれればそれが一番いいのだろうけど、それってそんな簡単なことじゃないのはわかるよね?日本、もう何十年も変わってないよね、、

もっと極端なこと言えば、英語できないのに日本人っていうだけで雇ってくれる企業があるのであればまだその地域は恵まれている方で、そんな企業や会社、レストランがない(または極端に少ない)地域も当然あるわけで。

自分が人材として魅力的ではないうちは、忍耐や苦労は必須事項で、それをしないと絶対に移民にはつながらないと断言できます。

3、キャリアを考える
日本ではそれなりにキャリアを築けていた、それなりに稼げていたのに移住したらそれがゼロにリセットされてしまってまた一からキャリア形成しなければならないのが辛い云々という話を耳にしたわけですが。それに対する私の考察。

「それなり」のキャリアだったのであれば移住したら評価されにくいのは当然では?
そのそれなりはどういうそれなりなのか、ですよね。例えば勤続10年働いていたからそれなりの給料をもらっていた。これは転職すればリセットされるのは当たり前。経験としては長いかもしれないけれど、その経験を売り込めるほどの実績を目に見える形で示すことができないのであれば他社にその「それなり」を評価することは難しい。
日本でのキャリアが本当にすごい人はこちらに来てもそれなりに活躍できていると思う。建築家、アニメーター、IT技術者、映像加工、シェフ、美容師、庭師、などなど、今職種を上げているだけでこちらで活躍されていらっしゃる日本人のその分野の人の顔が浮かぶ。
自分でビジネスを立ち上げたりフリーランスで活躍する人も少なくないと思う。

それができない程度の「それなり」のキャリアしかないのであれば、残念だけどそれはやっぱり中途半端だし、それでも英語さえできればこちらでそのキャリアを継続していける可能性はないわけではないけど、そのためにはかなりごり押しで自分を売り込んでいく根性と根気がいる。日本人が一番苦手なネットワーキングやコネを最大限利用していくくらいの前のめりな姿勢がなければまず無理でしょう。
少なくとも、「私は日本ではあんなに評価されていたのにこんな底辺の仕事しかできないなんて」というような考え方するプライドの高いタイプの人には受け入れるのが難しい真実ではないのかなぁ。
どんな経験や仕事もいつか自分の血肉になると考えられないと。
これは私は本当に真理だと思っていて、無駄になる経験なんて何一つないと思う。
たとえカナダに来て最初に就けた仕事がディッシュウォーシャーやサーバーだったとしたって、そこで学べることってものすごくたくさんあるよね。英語もそうだし、そこで暮らす人の考え方とか働き方の違いとか制度の違いなどなど。

別に自分の苦労自慢をしたいわけではないのでそこは断っておきたいんですが、私の場合もカナダ上陸時はキャリアが中途半端だったので結構苦労しました。
ただ私は英語はオフィスの仕事ができる程度には話せていましたけど。(詳細は過去の記事参照)

私の場合は英語という武器があったとしても、海外の文化に対する理解が全然甘かったので英語社会での立ち振る舞い方とか、カナダのオフィスで働くことがどういうことかとか全然見えてなかったんですよね。
私結構自分を売り込むのは得意で、面接ではったりかましたりも結構できちゃうタイプなんですが、さすがにカナダの会社の常識がわからなすぎてどうやって売り込んでいったらいいかもわからなかった。
最初はとにかくタダでも構わないのでインターンシップで現地の企業に入り込んで仕事を手伝ってみたりしてましたね。。。で苦労の末見つけたのが日系の留学コンサル企業(超ブラック)。
留学コンサルとしての経験はゼロだったのでこのブラック企業じゃなければ雇ってもらえませんでした。ほかにも何社か面接行ったけどね。ブラックだからいつも求人してた😓
ここでどれだけこき使われたかとかどんだけ悔し涙流したかとか語るのは避けますが、少なくともここで頑張って勝ち取った永住権とキャリアで私はカナダ企業に転職することができた。

その後はコネで転職したり、さらにそのあとは自分でビジネス立ち上げたわけだけど。。

ちょっと夢のあることを語れるとしたら、日本に比べたらカナダはまだまだビジネスチャンスが転がっていると思うので、あなたもビジネスオーナーになれるチャンス!があるかもと思います。私がカナダに移住しようと思った理由の一つはそれでした。

ビジネスやってると「すごいですね」とか言われるんですが、私は決して自分をすごいと思ったことはないです。
正直ビジネスを立ち上げることは誰にでもできるんですよ。続けていくことは難しいしそれは別の話だとは思うけど、そもそも私のビジネスはまだまだ全然儲かっていないし、続けられているんだからすごいと言ってくれる人もいるけど、私自身は全然成功しているとはかけらも思っていないんだよなぁ。。。
私よりうちのスタッフの方が全然儲けているような状態なんで寧ろほぼ無給で馬車馬のように働いていて私の方が負け組なのではと思ったりもするよ😓

でも日本は本当にみんな勤勉で思いつく限りのビジネスは存在していると思うんだけど、カナダはまだまだ不便がいっぱいで、新しいビジネスが入り込む余地はものすごくたくさんあると思う。もちろん大変だし、少なくとも最初のうちはものすごく自分を犠牲にしてあほみたいに働かないとビジネスなんてうまくいかないけど、それでも成功できる余地があるのは希望じゃないかなぁなんて。私は日本にいたころも起業したかったけどとても入れる余地がないと感じていたから余計にそう思うのかもしれないけれど。


まとめ

ながながと書いてきたけれど、何が言いたいかって海外に移住することって簡単じゃないよって。苦労も搾取もあるある。
搾取されるかもしれなくても、その国の文化や言葉をある程度理解できてそれなりのキャリア形成をできるまでは日本企業や先輩日本人のビジネスに助けてもらえる環境に身を置くのが一番近道かもしれないなぁと正直思います。
まぁそういう現状があるからこそ搾取があるんだろうとは思うし、決してそれを肯定しているわけでもないけど、やっぱり厳しいと思うもん。
それがどうしても嫌ならがっつり学校に通って硬い資格を取得する事でカナダで通用する使える人材であることを証明するしかないと思う。

自分に置き換えて考えてももし私が最初から日本人なんかいない地方都市に行って、カナダ人に比べたらそこそこの英語力しかなくてカナダの企業で働いたことなくてオフィスワークに就けたかなぁと考えたら正直無理だと思う。そう思うくらいあの頃はカナダのオフィスで働くという現実を全く分かっていなかったなぁと思うし。
それでとりあえず生きていくためにレストランとかで働いて、でもそこからオフィス系の仕事にどうやってつなげていいかわからなくて結局ずっとそういう働き方して自己肯定感さがって、「こんなはずじゃなかった」となる図が結構はっきり見える。
少なくとも、あくまで私は、だけど、ブラック企業だったとしても日系企業で働いて、こちらの会社の人たちと職務上やり取りしながらこちらの仕事文化をまなんで、日系企業だったからこそ仕事上で活躍もできて、会社にも必要としてもらって自己肯定感も上がって、前向きに移住して生きていくことを考えることができた。
今の私なら正直カナダのどこに引っ越しても仕事を見つけられる自信があるし、何しても生きていけるだろうと思える。

私からできるアドバイスがあるとすれば、移住したいのであればその辺のことまでしっかり考えてきちんと計画を立ててこないと難しいよ、ということかなぁ。
日本人が誰もいないような地方都市の方がよくても、英語に自信がないならある程度キャリアができるまでは日本人が多いある程度の都市部に来た方がいいと思う。

海外移住は夢物語では決してないからいいところも悪いところももちろんあるよ。
でも少なくとも私は日本ではできなかった経験(起業)をして、今頑張ってカナダで生きてる。それをさせてくれたカナダに感謝をしているし、かわらず日本という国も大好きなまま。日本人であることを誇りに思いながら、カナダに日本を紹介できる仕事をしていることも誇りに思っています。

人生は一度きり。
難しいからという理由であきらめずにチャレンジしてみてほしいなぁと思います。
うん。私は応援する。



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